林檎の蜜は甘くて、食べたくなるけれど。





私の蜜は、苦くて赤くて鮮やかなの。




ねぇ、景吾。私の蜜は・・・・食べたくなるくらい、甘い蜜ですか?












Honey−蜜−








「おい、

「んー・・・何?」






広がるのは、赤い赤い蜜。君はどうして蜜を出そうとするのか。




「どうして、また切るんだよ」

「えっとねぇー・・・・景吾が、舐めてくれるから?」

「あのなぁ・・・俺は、確かに血が出てるから舐めてやってるけどよ、だからって切るな」

「だってさ、景吾言ったじゃん。赤い蜜って綺麗だよなって」

「バーカ。意味がちげぇよ」

「そっか」



そう言って、俺はから流れる血を舐める。
鉄の味がする綺麗な色をした赤い赤い蜜。




「ねぇ・・・景吾は痛いと思う?」

「あん?」

「私が、腕を切ってる事」

「あぁ。見てるだけでもいてぇな」

「嫌い?」

「あぁ、嫌い」

「そっか・・・・・」


赤い蜜。俺の中に広がる赤い蜜は鉄の味。
どうしては、こんな風になってしまったのか。

これでも、結構軽くなった方だ。


「ねぇ景吾」

「あんだよ」


俺は、傷口を塞ぐ様に包帯を締めてやる。



「切るの辞めたら、愛してくれる?」

「あぁ。この傷が全て消えて、が切るのを辞めて、自分を傷つけるのをやめたら愛してやるよ」

「絶対?」

「あぁ。絶対。嘘じゃねぇよ。信じろよ」



景吾の言葉は全て魔法がかかってるから。
愛してくれなくても、私は愛し続けよう。





私からの赤い蜜をどうか、美味しく召し上がって。

景吾の中に私を入れて。


だけど、景吾が「信じろよ」なんて言うから、私信じるよ。


だから辞めるよ。





赤い蜜を流すのは。
















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病んでるんでしょうか(ぁ
いや・・・でも、これって結構痛い系になるんですかね?
でも、こういうのは渋澤的にあまり好きくないです・・・orz
でも、好きな時は好き。
林檎食べながら思いついた作品なのですた。ちゃんちゃん(は

2006.01.05