今日は、いつもよりも騒がしい。


それは、誰が決めたのか知らないけど、告白の日。



うるさくて、頭が痛い。





そして・・・・・・・





















レモンの飴玉

















「眠い」


「あのねぇー・・・アンタは、女子でしょ。こー・・・なんてゆーかさぁー・・・ドキドキソワソワできないの?」


私の目の前に座っている、友人の
は、彼氏の宍戸にもうチョコを渡したらしく、周りの女子のようにドキドキソワソワしていない。


「だってさぁー・・・今日の深夜やってたテレビ見てたら、寝るの忘れてて・・・」

「ったく・・・・それより、アンタ、今年はチョコあげんの?」


は、私の顔を見てニヤニヤしている。
別にあげる相手もいないし・・・


「あげる相手なんていないですー」

「え?まじ?幼馴染の跡部君にあげないの?」

「あげるわけないでしょ。つーか、跡部だって彼女からもらってるんじゃないのー?」


そう、幼馴染の跡部はとにかくモテる。



「ふぅーん・・・・でも、跡部君今日一日も姿見てないけど・・・」

「どっか隠れてんじゃないのー?」


あぁー・・・・眠い。
やっぱり深夜のテレビは見るもんじゃないなぁー。とか思っていたら、急に忍足が走って来た。



ー!!!!!ぁぁぁぁぁぁぁ



叫んでこなくてもいいじゃない・・・・・


「なっ・・・・・何」


忍足は、ぜぇぜぇ息をしながら、とぎれとぎれに話し始めた。

「あっ・・・んな・・・・あっ・・・とっべがっ・・・はぁ・・・はぁ・・・・」



「いや・・・・息が整ったら話してちょうだい・・・・」


「はぁ・・・・はぁ・・・・んっ・・・・・」



「なんか、忍足君エロイ・・・・」

「それは、確かに」


私とが笑っていると、忍足はいきなり私の肩を掴んできた。


「!?」

・・・・!俺とつきあってくれ!!」






「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」





つきあうって、彼氏彼女として?それともついてこい?
私は混乱していると、忍足が必死な顔で説得しはじめた。



「跡部が、どっかに消えてもうて皆探してんやけど、全然見つからないねん!!」

「あっ・・・・あぁ・・・そういう意味ね」


「せやから、手伝ってくれ!」


「えー・・・でも眠いし」

「お願いやって!!」


、アンタ暇なんでしょー・・・手伝ってあげなさいよ」

「えー・・・だったらが・・・」


「私は、亮と話しなきゃいけないから〜」


は、ヒラヒラと手を振って教室を出て行った。

あんの野郎・・・!逃げやがった・・・!



「ほな、、よろしゅーな」


「えっ・・・ちょっ・・・まっ・・・」




そして、忍足も教室を出て行ってしまった。



どうしよ・・・・やっぱ、跡部を探した方がいいのかなぁ・・・・・

そう思い、まぁめんどくさくなったら保健室で寝ようと思い私も跡部を探すハメになった。

































「・・・・・跡部いないじゃん」

思い当たる場所は、全て探した。
なのにいない。そうなると、相当逃げ回っているのか・・・・

そう思いながら、ボーっと歩いていると、人にぶつかった。






「っ・・・・・すみませ・・・・」


ふと顔を上げると、見たこともない女子生徒。
右目には泣き黒子。



「あっ・・・・・・・・じゃなくて、さん、こちらこそぶつかってしまってすみません・・・・」


何この人。
女子なのに、なーんか声が低い。


「・・・・あのー・・・」



「アー・・・・じゃなくて・・・なんでしょうか?」


誰かに似てる。


「跡部君、どこに行ったか知ってる?」

「アン?」


あ、眉間にシワ寄せてる。
この癖は、跡部の癖。



「跡部じゃん」


「ちっ・・・・違いますっ・・・人違いですっ」


「ふーん・・・・じゃぁ、その場でスカート脱いでよ」



私と、跡部に似ている女の子は廊下に二人きり。




「なっ・・・・それはセクハラだろ」


「あれぇ?女の子なのに、そんな口利く人なんていたんだぁ」


「なっ・・・」


「ねぇ、名前は?」



「さっ・・・さぁ・・・・?」



跡部が焦ってる。
こんな跡部は初めて見るかも。



「自分の名前も言えないの?」

「っ・・・・ったく・・・・何だよ」


あぁ、もう本性出しちゃった。



「跡部、何で女装なんかしてんの?」

「っ・・・・今、人に見つかるとマズイ。ついてこい」


「ほーい」



私は、跡部について行く事にした。
なんでか、楽しそうだったから。
それに・・・・・こんな跡部、滅多に見れないしね。
































ギィッ・・・・

「屋上?」

「ここなら人はいねぇしな」


外に出ると、風が強くふく。
跡部のつけてる長い髪がなびく。



「ねーねー。跡部。どうして女装なんかしてんの?」

「・・・・バレンタインもらわない為」


「えー!?だからって女装!?」

「うっせぇな・・・・」

「ってゆーか、跡部って女装の趣味?」

「バーカ。ちげぇよ」


「・・・・・・・そんなに嫌なの?」


「俺様は、好きな女からのプレゼント以外もらわないの」


「だからって女装?」

「去年、学校休んだら女子生徒皆俺様の家に来やがった」


「でも、それじゃぁ一緒じゃ・・・・」


「だから、今年は女装して紛れてるワケ」


風がブワッと吹く度、跡部独特の香水の匂いがする。


「ふーん・・・・・彼女でも作れば、あげる人いなくなるんじゃないの?」

「そんな相手いねぇよ」

「跡部なら、選び放題だと思ったんだけどなぁー」


なんか、変な気分。
跡部が女装してるからかな?

でも、女装した跡部も女の私よりも美人で。



「ねぇ、跡部」

「アン?」

「毎年、お疲れ様って感じだね」

「あぁ」

「・・・・女装、似合ってるよ」


跡部の方を見ると、眉間にシワを寄せて私を睨む。
あれ?もしかして、似合ってるとか言われたくなかったかな?


「そんな事言われたって嬉しくねぇよ」

「そっか」

「・・・・」

「・・・・でもさ、やっぱり男の跡部が一番かっこいいよ」


「アン?それ告ってんのか?」

「さぁ?」

「どっちだよ」


「今日は、女の子の大切な日なんだよ?」

「だからどうした」

「残念ながら、チョコは持ってないんだなぁー」


この数分で。
私は完璧に跡部が好きになってた。

うぅん。違う。ずっとずっと前から好きだった


「チョコなんかいらねぇよ」

「ほら、でもさ。儀式的にお菓子あげなきゃ」

「じゃぁ、寄越せよ」

「何を?」

「お菓子」


跡部は、屋上のフェンスに寄りかかり私を見る。
跡部の姿は、ズボンじゃなくてスカートをはいてて。

私と同じ制服を着ている。
なんだろう。ちょっといけない恋をしてるみたい。


「んー・・・お菓子かぁ・・・」

私は、ブレザーのポケットに手を突っ込んでお菓子を探してみる。
お菓子と言っても、飴しか出てこない。


「んー・・・じゃぁ、跡部」

「あ?」


「イチゴとレモン・・・どっちがいい?」


「・・・・レモン」

「じゃー・・・はい。跡部。レモンの飴玉ぁー」

「あ?飴だぁ?」

「うん。飴。」

「何で飴なんだよ」

「だって、飴しかないんだもん!お菓子ないの!」

「ったく・・・・」


そう言っておきながら、ちゃっかり飴を受け取っている跡部。


「ねー・・・跡部」

「何だよ」


跡部は、飴の包装を開けてレモンの飴玉を口に含む。


「・・・・ホワイトデー・・・3倍返しね」

「あー・・・・・考えておく」

「何それ!」

「だって、俺告られてねぇし?」

「・・・好きだよ、跡部」


「・・・・」


「友達としてね」


「なんだよ、それ」

「じゃぁ、恋愛感情として」

「じゃぁってなんだよ」


「だって、女装してる人を彼氏にするワケにはいかないしぃー」

「バーカ。今日は特別なだけだ。もうしねぇよ」


「跡部は、どうなのさ。」


跡部の方を見ると、目が合った。
女装の為か、軽く化粧をしている。

何故だろう。凄く美人で・・・・・・凄く綺麗。


本当は男なのに。




何故か見惚れてしまう。





「好きだぜ。俺はの事が」



「・・・・アタシも好き。女装してる跡部よりも・・・・・テニスしてる跡部とか・・・俺様なんだけど、なんか弱っちぃ跡部が好き」

「バーカ。俺様が弱いワケねぇだろ」


跡部は、私にちかづく。
なんだろう。凄くドキドキする。


「このレモンの飴、甘ぇからやる。」

「えっ・・・・?んぅっ」



口を塞がれたと思ったら、跡部の舌が私の口の中に入ってくる。
生暖かくて。
レモンの飴の独特な酸っぱい様な甘い様な・・・・・



「っ・・・・・」


だんだん、それは深くなっていき、苦しくなってくる。

私は、必死で跡部の制服のネクタイを引っ張る


「っ・・・アンだよ・・・・ネクタイ引っ張るな。苦しいだろ」

「だって跡部がっ・・・・・」

「チッ・・・・スカートさみぃ」


そう言って急に抱きしめられる。
跡部は、ずっとズボンだからスカートの寒さに・・・・慣れてないのかな


「ちょっ。・・・・跡部・・・これ、屋上に来た人に見られたら、アタシ・・・・レズ疑惑が出るから・・・・」

「さみぃんだよ」

「そういう問題じゃなくて!どうすんの!誰かに見られたら!」

「さぁな」

「はーなーせー!!!」

「うるせぇ女だな。キスするぞ」

「キス魔!!」

「はい、お仕置き決定」

「んっ・・・・・」


跡部とキスしていると、ギィッと鈍い音を立てて屋上のドアが開く音がした。
マズイ。この現場を見ると完璧に私が・・・・・・


「あっ・・・・・・跡部は・・・・・!?!?!?」

「んっ・・・ふぅっ・・・・」

「なっ・・・!?!?」

「っ・・・・・・!!!」


私が、跡部の胸板を叩くと跡部はすんなり退いた。


「ッ・・・はぁっ・・・はぁっ・・・・」

「あら・・・・忍足さん・・・さんに何か御用ですか?」


跡部は、慣れない女声で忍足に話しかける。
忍足は、全然気づいてない・・・・!


「ちょっ・・・あとっ・・・んぐっ」


跡部に口を手で塞がれ、跡部は話し続ける。


「忍足さん、ごめんなさい。今、さんと取り込み中なんで」

「あっ・・・はぁ・・・・」


忍足は、屋上から去って行ってしまった。
マズイ。このままだと完璧に勘違いされる・・・・!


「ちょっ・・・・跡部!!私に変な噂がたつからやめっ・・・・・」


カシャンッ!と音を立てて私はフェンスに押し付けられる。
女の格好をしていても、やっぱり跡部は男の力で。


「っ・・・・・いたっ・・・」

「さっき、俺とキスしてた時ドキドキしてただろ」

「女とキスする趣味なんかっ・・・」

「俺はドキドキしたぜ?俺は・・・・・が好きだからな」

「っ・・・・・バカっ・・・・・・」


やっぱり・・・好きなんだ。
跡部の事。


「ククッ・・・・」

「でも・・・・・」

「?」



「忍足に勘違いされたままじゃんかー!!!!」


「人の噂も七十五日ってな」


そう言って、優しく口つける。

女装している跡部と、女子生徒の私。
なんだか、いけない恋みたいで・・・・本当は凄くドキドキしてたんです。



「今度、チョコあげるね」

「あぁ」




















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バレンタイン祝1位夢・・・跡部です。
女装してます(ぇ
こういうの好きなんですけどね(爆)跡部が女装したら、綺麗なんだろうなぁ・・・・(ぇ
結局、忍足に勘違いされつつも景吾とは上手く行ってくれるはず。
そんな、中学3年のバレンタイン(は)
今回、キス3回してます(どうでもえぇがな
だって1位だもんね!(笑)キスの回数増やしたっていいじゃないかー!(は

2006.02,13