私が落ちてきたら、景吾は・・・・受け止めてくれる?


そんな事言ったら、きっと景吾は笑ってこう言うよね。









「当たり前だろ?が降ってきたら・・・・俺は・・・・」

































君が雨なら僕は傘

































ザァァァァァァァ・・・・・


今日は、生憎の雨。
天気予報では、雨の降る確立は低いでしょう。とか言ってたのにな。


私は、自分の鞄から折りたたみ傘を出そうと、鞄の中を漁ってみる。


「あっ・・・・あれ・・・?折りたたみ傘がない・・・・」


そういえば、「今日雨降らないなら、いっかー」とか思って、部屋に置いて来ちゃったんだっけ。
そう思って、教室の窓を見れば、止むはずのない雨。

景吾は、多分生徒会室で仕事かなぁーっと思いつつ、自分の鞄を持って生徒会室に向かう。


景吾とは、いつのまにか一緒で。

いつのまにか、意識して。

気づいたら、離れては生きていけないそんな存在。



私が、景吾に「好き」。

そう言えば、景吾は

「俺は好きじゃなくて、愛してる」

そう言われる。


正直・・・・顔が真っ赤になるくらい恥ずかしい台詞を景吾はスラスラ言う。
ドコで覚えてきたの?とか聞きたいけどー・・・多分、景吾っぽさが出てていいんだけどサ。



「けいごー・・・」

ガラガラと生徒会室のドアを開けると、景吾が資料を片付けているはずの姿がー・・・・


「すー・・・・・」

「けい・・・・ご?」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


景吾の反応はゼロ。
もしかして、寝てるのかなぁーと思い、体をゆさゆさ動かしてみる。

だけど、本当に疲れているのかなかなか動かなくて。


しばらく起きないので放置してみる事にした。



「・・・・・・・・・・・・・・」


チッチッチッチッチッ・・・・・


時計の針が、動く音しかしなくて。

景吾何時間寝てるんだろーとか、どんな夢見てるんだろー・・・とか思うわけで。


景吾の握りしめてるシャーペンをちょこちょこ動かしてみる。

どうして、こんなに強く握り締めてるんだろ・・・・・


・・・・・・・・・・・・」


「え?」




「ん・・・・・・・・・・・」


景吾が、いきなりムクッと起き上がって、私を見てきた。


「けい・・・・ご?」



「なんで、ここにがいるんだよ」


いきなり、まともな質問をされて。


「えっと・・・・一緒に帰ろうと思って・・・」

「雨・・・・降ってる」


景吾は、ボーっとした顔で窓の外を見てる。

私じゃなくて・・・雨を。

だから、ちょっと意地悪な質問をしてみた。



「ねー・・・景吾」

「あ?」



「もし、私が雨になったらどうする?」

「は?」

「もしもの話だってば」

「・・・・・俺は傘になってやるよ」

「何それ」

「あ?」

「傘って何さぁー・・・・それって、雨よけでしょー?」

「当たり前だろ。傘は雨よける為にあるんだからよ」

「だからって、なんで景吾が傘なのさ」

「雨といえば、傘。雨と傘は一緒だろ。それに・・・」

「それに?」

「俺が傘になれば、が雨になろうが降ってきたら、俺が受け止めてやるよ」


景吾は、寝起きなのか意味分かんない事言ってたけど、とにかく・・・一緒にいてやるよって意味なんだと思う。


「ねーけいごー」

「アン?」

「今日さ、車で帰らないで歩いて帰ろうよ」

「あ?濡れるぞ?」

「相合傘して帰ろう」



「分かった。いいぜ」





私が、雨で・・・君が傘。


それだったら、私は景吾に受け止めてもらうために、ずっとずっとこの雨よりも長く・・・・景吾の元で降り続けるから。



ずっとずっと、一緒にいるために。

















Fin

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企画参加させていただいた渋澤です。
跡部夢というワケで書かせていただいたのですが・・・この意味不明っぷり!!
ヒロインが、雨なら跡部は、雨を受ける傘であってほしいなぁーみたいな感じでして(苦笑)
リベンジとかできたらしたいな・・・・・!(その前に、書き直せよ)

ここまで、読んで下さってありがとうございました。

渋澤景菜

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企画名を忘れてしまいましたが、100のお題を皆でやろうという企画で、参加させていただきました。

2007.12.08UP