「・・・景吾?」


何もない景色。この世界に私だけの世界。


「景吾・・・ドコ・・・?」


愛しいあの人がいない。


それは、突然消えていった。











悪夢












今、この世界に私だけしかいない。
周りは白の景色。


愛しいあの人がいない。






「景吾ー・・・・」






響き渡る声。
この世界に今、私しかいないのか。

とてつもなく悲しくて。
傍にいるはずの景吾がいない。

































「夢・・・・・・・・・・・・か・・・・・・・」

目が覚めると私はベットの中で寝ていた。
そっか・・・・夢見てたんだ・・・・

ふと顔を鏡で見ると泣いていた後の顔。

どうして?

最近こんな夢ばっかり
















ピロロロ・・・・・・・

携帯の音が鳴り響き、私は携帯画面を見て、ホッとした。





"跡部 景吾”と表示されていた。







「はい・・・」

「おい」

景吾の声はいつもより不機嫌。

「どうしたの?」

「どうしたの?じゃねぇよ!!!!俺を、いつまで待たせるつもりだ!!」

「ほぇ・・・?」

「ほぇ?じゃねぇ!!久しぶりにデートしろっつったのはお前だろッ!!」

電話を通して聞こえてくる声。
物凄く不機嫌で、手のつけられない声。

「ごッ・・・・ごめッ・・・・」

「いいから出て来い!!」

「だって今、パジャマ・・・!!」

「あァ?!」

私は急いで電話をしながら、着替えた。
すると、窓に「パシッ」と音がした。

私は窓を開けて顔を出した。

「景吾・・・!」

・・・?!何してんだよッ!早く上着ろ!!」

「だってぇ〜」

「だってじゃねぇ!」

「ちょっと待ってて!」

私は急いで窓を閉めて着替えに集中した。






















*     *     *     *     *     *











「ごッ・・・・ゴメン!!」

私は急いで玄関のドアを開けた。
景吾はご立腹な顔をして待っていた。

「おせぇ・・・」

そう言って私の手を引いて歩いてくれる景吾。
とても優しくて。愛しくて。




「・・・最近ね、変な夢見るの」

「どんな夢だよ」



























「景吾が突然居なくなる夢」

私は下を向きながら歩いた。





「・・・・・・・・・・・」

景吾はいきなり私の手を強く握りしめて、景吾の着ている服のポケットの中にしまい込み、また強く握り締めた。


「景吾?」

ずっと傍にいて欲しいという私の願い。
景吾に叶えて欲しいから。

「・・・・・・・・・」

何も言わずに歩き出す景吾。
手から伝わってくる言葉。




































"居なくなるわけないだろ”

































私たちは、人ごみに紛れながら歩いていた。

「人いっぱいいるね・・・」

「あぁ・・・・」

車ように渋滞な道を私たちは歩いていた。

「・・・イライラしてる?」

私がそう言うと景吾は、眉間にシワを寄せていた。

「・・・微妙に」

「そういう時は、空を見上げるといいよ」

私がそういうと景吾は上を向いた。

・・・曇ってる」

「うっ・・・・」

確かに空は曇っていて、今にも雨が降りそうな空。

「今日は桜綺麗に見れるかなー・・・?」

「雨が降らなきゃ見れるんじゃねぇの?」

「やっぱー・・・?」

「帰るか?」

「ヤダ!今日満開だって、テレビで言ってたんだもん!」

「はいはい」

景吾がそしてまた歩き出す。
私は手を引かれて歩く。

ふと空を見上げるとピンク色の雪のようなものが舞っている。

「景吾!」

「何だよ」

「空!」

「だから曇りだって言ったじゃねぇか」

「桜の花びら!!」

一人興奮する私を呆れて空を見る景吾。

「・・・きれー・・・」

「そうだな」

「今日はこれでいいや」

「は?」

「景吾人ごみ嫌いでしょ?」

「あぁ・・・」

「じゃあ、帰ろ!」

「いいのかよ?桜見なくて」

「だって今見たもん」

そしてまたポケットの中で強く握る手。

景吾は桜の花びらを手をのばして取った。

「どうしたの?」

「また、来年も見に行こうな。もっと綺麗な場所で」







そう言って私に桜の花びらを渡した。




こんな幸せな人生を送ってるから、あの悪夢はきっと神様のいたずらなんだ。
















fin.............





ハイ。企画夢の跡部です。
春をイメージして書いてみました。
ムムム・・・桜って言葉があまりにも出てない・・・!
最初、この夢小説の題名を迷った・・・
「神様のいたずら」

「悪夢」
う〜ん・・・・今になってみればどっちも合ってるような合ってないような。
まぁ、結果オーライ!(逃げ腰
ってかね、最初書き終わった時、本当に焦りました。
だって・・・・名前変換無かったんだもん・・・!!(汗
急いで名前を入れられる所を探して無理やり突っ込みました。
ちょっと変でも気にしない!!
そんな裏話でした(笑