「・・・七夕って言うたらやっぱり、彦星と織姫が1年一度にしか会えへん仲なんやで・・・」

「だから?」

「なんちゅーか・・・ロマンチックやなぁ・・・」

そう言いながら侑士はマックのオレンジジュースを一気に飲み干した。
・・・・一年に一度か・・・
そう言えば・・・昨日で景吾が外国に行ったのは・・・1年も前なんだ・・・
















一年に一度






















いきなり侑士から電話が来て「一緒に遊ばへん?」と言ってきたので、私も暇だったし、遊ぶ事にした。
高校を卒業してから、まぁ、ボチボチと会うようになった。
侑士とは、私が景吾と付き合い始めてからずっと仲が良かった。
いつも悩みとか相談に乗ってくれたし。
高校までは、一緒に学校へ通っていたけど、高校を卒業してから、私たちはそれぞれ違う道を選んだ。


「なぁ・・・?」

「何?」

侑士はジュースの中に入っていた氷を食べながら言った。

「跡部がいなくなって7月6日で1年やな」

そう。景吾は、留学する事を選んだ。
私は引きとめなかった。
だって、景吾が行きたいなら、行けばいい。景吾の人生を決めるのは私じゃない。
でも、寂しかった。

「・・・そうだね」

「・・・あんなぁ・・・。あいつ・・・絶対に・・・浮気しとらんよ?」

「・・・私は・・・そんな事・・・」

「気にしとるやろ?」

確かに最初はすっごく気にした。だって、2年も留学するって言うし。
外国行っても、きっと景吾は、モテると思う。
こんな私みたいな一般人を好きになるなんて景吾どうかしてるとか、最初は思ってたけど、景吾が時間さえあれば、電話してくれた。
最近は忙しいみたいで電話は、あまりできない状態だけど。

「・・・でも、景吾の事信じてるから」

私は、少し苦笑いしながら答えた。
だって、そんな事気にしてたら・・・・私、景吾に愛想つかれちゃうもん。

「・・・跡部辞めて俺にせぇへん?」

「え???」

私が侑士と目線を合わせると、ニタ〜と笑った

「嘘やで。なんや〜ビックリしとるみたいやん?」

「そんなのビックリするに決まってんじゃん!!!」

「・・・ホンマに言ってたら、つきおぅてくれる?」

マジメな顔をして、私の顔を見る侑士の目線は、私を捉えたまま、真っ直ぐ見ていた。

「・・・・景吾がいるんだから付き合えるわけないじゃん・・・」


































*     *     *     *     *     *

































私は、侑士と別れた後、家に戻った。
今は一人暮らしで、誰もいない。

無駄に広い部屋。
景吾が、「婚約祝いにくれてやる」とか言ってくれたんだっけ。

この部屋から景吾の姿が消えて1年と1日。


・・・・もう、寂しさには慣れた。

私は侑士と喋りすぎて、ベットに横になった。




「・・・・眠い」









喋る相手もいないのに喋ってみた。













返事はまだ、返って来ない。

































*     *     *     *     *     *

































「んぅ〜・・・・・・眠い・・・・・・・」

「まだ寝る気か?」

「だって眠いんだもん・・・・」

「ったく・・・しょうがねぇなぁ・・・・あと30分だけだぜ?」

「うん・・・・・・・・・」








あれ?私今誰と喋ってるんだっけ?

私しか今・・・・この部屋にいないはずだよね???




私は布団の中からチラッと声のする方を見てみた。


そこには、






















まぎれもなく






















景吾の姿があった。













「よぉ・・・・久しぶりだな」

「・・・・・・・・・え?」

「お前・・・・俺の事覚えてるか?」

「・・・・・・景吾?」

「覚えてるじゃねぇか」

「・・・・何で?」

「何でって・・・帰って来てやったんじゃねぇか」

「だって・・・・あと1年はかかるって・・・」

「俺様を誰だと思ってるんだ?」

「・・・・・・跡部景吾」

「・・・・」

「頭が良くて・・・かっこよくて・・・私の自慢の恋人です」

「・・・・恋人は嫌だな」

「じゃぁ、恋人やめる?」

私がそう言うと、景吾は私に覆い被さって子供みたいな無邪気な顔でこう言った。

「バァカ!恋人じゃなくて俺はお前のフィアンセだ」

「フィアンセ?」

「ったく・・・・婚約者って事だ」

「分かったから・・・景吾退いて・・・」

さっきから私の足に景吾の体重がかかってて重いんだけど・・・

「ヤダ」

そう言って景吾はシングルのベットに無理矢理入ってきた

「ちょっ・・・!!!」

気がつけば、景吾の顔が間近にあった

「・・・・本当は昨日帰ろうと思ったんだけどな・・・七夕で人が多いからやめた」

「・・・?」

「・・・・お前が織姫で・・・」

「景吾が彦星」

「一日遅れたケド・・・・」

そう言って景吾は私に口付けを、落とした。

「俺とお前は・・・・彦星と、織姫みたく・・・ならねぇ。」

「?」

「ずっと一緒だって意味だ。バァカ」

「バカって言うな!!」













侑士みたいに、ロマンティストじゃないけど、いつか織姫と彦星も、私達みたいに幸せになればいいと思う。













fin............






あー・・・・終わったよ。
七夕。他のキャラも作ろうと思ったけど、なんだか疲れちゃって・・・・
はぁ・・・・・
ため息つくと幸せ逃げますね。
今回は、20歳設定です。多分(何)
だって・・・高校卒業で18でしょ?一年経ったって事は、20でしょ?
お酒飲ませようかなぁ・・・とか思ったけど、ダメでした。
マックでごめんなさい・・・!
お酒の話を出すと、止まらないので駄目です。ハイ。