大丈夫。俺達は、どこまででも一緒だから。
最後の春
桜が舞う季節、まだ肌寒さは残ってる。
夜になれば、夜桜が舞い、星たちは輝きを増す。
「赤也」
呼ばれた声の主を辿ると、そこには真田副部長がいた。
「あ、副部長も来てたんすか」
「まぁな」
そう言って、花を添える真田副部長。
例え部活を引退していようが、俺には副部長にしか代わりがない。
「・・・・・なんでですかね」
「どうした?」
「どうして、人って死ぬんスかね」
そっと触れれば、石が冷たい。
「それが、自然の原理というものだ」
「・・・・意味分かんないッス」
「命あるものはいずれ無くなる。それだけだ」
「真田副部長って意外と冷たい人間なんスね」
そう言えば、真田副部長は苦笑いして線香に火をつけた。
スッと煙が立つ。
「寒いな」
「大丈夫、私も同じ。私も寒いもん」
「そんな防寒対策の格好してて?」
「うん」
・・・・全部、終わったんだ。
「・・・くそっ・・・」
「・・・?」
「なんでっ・・・・守ってやれなかったんだよっ・・・」
悔しくて、手が震える。
今なら、俺は自分で自分を殺せるかもしれない。
「赤也」
「っ・・・なんでっ・・・・なんでなんだよっ!」
「赤也!」
「どうしてっ・・・を守ってっ・・・」
「赤也!!」
パシッと音が響く。
それと同時に、頬に痛みを感じた。
「貴様、自分を責めるな。はお前のせいで死んだんじゃない」
「じゃっ・・・なんで俺の前からッ・・・」
「が優しすぎたんだ」
そう言って、そっと石を撫でる真田副部長。
まるで、を撫でるように。
「赤也のせいではない。・・・・お前はこれからもを愛してやれば良いんだ」
「っ・・・・・・」
「お前はすぐに感情を表に出すからな。そこがは嫌いだと言っていた」
「・・・・・そんなの・・・」
「現実を見ろ、赤也」
分かってる。はもういないんだ。
俺の前から、消えてしまったんだ。
「すみません・・・」
「構わん」
たった一筋、涙が溢れた。
・・・現実が、目の前を掠める。
あの時に感じた温もりも、が俺を呼ぶ姿も、桜と一緒に散った。
再び、の熱を感じるのはきっと。
に巡り会った時だろう。
「ずっと・・・好きッス・・・先輩」
再び会う時、その時はこの両腕で抱きしめて。
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初、赤也夢。
そして真田が友情出演(笑)えーっと、説明不足だと思うので、ココで補足を。
ヒロインは既に亡くなってます。
赤也がお墓参りしてる時に、真田に遭遇したーって話です。
そして最後、赤也は泣いてます。
きっと、その時真田は何も言わずに、待っててくれるんです。
変にからかったりしないから、そんな雰囲気さえも心地よくて。
そんな真田が好きです。
アンケートで、「リアルな中学生って感じで好き、感情のセーブが出来ない青いとことか 」とコメントを
いただいたので、真田に叱っていただきました(は
リアルな中学生って路線は間違ってますね・・・(遠い目)今回の赤也はリアルな中学生って感じ・・?
微妙ですみません・・・・!
2006.12.16