「先輩!俺・・・先輩の為に!オルゴール持って帰ってきました!」






「・・・え?」



そう言って私に差し出したオルゴールは










私のオルゴールだった。






鳴らないオルゴール






「これ・・・」

「あっ・・・あの・・・先輩がこの前・・・無くしたって言ってたんで・・・色々探して・・・」

「・・・・・・・・・・」

「せっ・・・先輩!?もっもしかして怒ってますか?!」

そう言って私の顔を覗いてくる長太郎。
バカ。ボロボロじゃんか

「・・・・・・どこにあったの?」

長太郎は少し戸惑ったような顔で私に言った

























「・・・学校の焼却炉です!」





















・・・それは私が今まで付き合っていた彼氏からもらったオルゴールで、ついこの前別れた。
私以外にも女を作っていたことが分かって、私にはもうそんな気力なんかないと言って別れた。

そして思い出も全て捨てたと思った次の日、私は家にあったオルゴールを持って焼却炉の中に入れた。

思い出も何もかも忘れられるように。






「・・・長太郎・・・・・・」

「どっ・・・どうしたんですか・・・?」

「・・・いらない」

「え・・・?」

「いらない」

「先輩・・・?」

「いらないったらいらないの!!」

「・・・分かりました・・・・」

長太郎はしゅんとした顔で私の家を出て行った。
何もかも捨てられると思ったのに。
何故長太郎は私の思い出を拾ってくるの?




























ねぇ・・・何でよ・・・・・・・・・・・

























私は一人玄関の前で泣きじゃくっていた。





思い出してしまった思い出とともに








涙と一緒に消えて欲しい。











そう何度も






私は願った。









*     *     *     *     *     *









「おはよー」

「あっおはよ!!ちょっと!アンタ昨日鳳君を泣いて追い出したでしょ!?」

「(泣いて追い出したって・・・)・・・ちょっと辛い過去を思い出しただけ。」

「・・・鳳君今日学校来てないって」

「え?」

「何か家帰ってないらしいよ〜。のせいだったらどうすんの」

「・・・」

?」

「・・・弱虫」

「は?」

「だってそうやって私から逃げてるじゃん!?そういうのって弱いと思わない!?」

何だか表の表情の私は言っていた。
どうして?私・・・長太郎のコト・・・・・

























どこか心の奥底で















今日逢えるのを待っていたような気がする


















・・・・」

「私悪いけど今日帰る」

私はそう言って教室を出た。
サボって先生に怒られても構わない。





素直な自分をさらけ出せるのは長太郎しかない。





だって、






人前で私は初めて泣いたから。

















*     *     *     *     *     *











私は走って長太郎の家に向かった。
それなりに付き合いはあったし。






夢中で走って


何かを求めるように


自分で逃がした蝶は



自分で捕まえなきゃ。






「長・・・・・・・・・・・・・・・・太郎・・・・・・・・・・?」








少し汚れたYシャツに

少し黒くなりかけた白い髪。


あきらかに長太郎だった。




「せ・・・んぱい・・・・?」


そして手に持っていたものはあきらかに

























私が昨日いらないと言ったオルゴールだった。































「あ・・・の・・・このオルゴールの曲・・・・先輩が好きだった曲ですよね・・・」




「そうだけど・・・・」





「あの・・・」




「・・・・・?」





「先輩に今から新しいオルゴール・・・プレゼントしていいですか?」




少しつらそうに私を見る長太郎













オネガイダカラ、ドウカ、ソンナフウニ、カナシゲナメデ、ワタシヲミナイデ










「オルゴールは・・・・・いらない・・・・・・・」




「え・・」




「・・・・・長太郎が傍に・・・・いてくれればいい・・・・・・・」






「先輩・・・・・・・?」







「ずっと・・・長太郎が・・・・・・・好きだった」


































鳴らないオルゴールが今
































鳴り始めた





















fin...............















あっひゃー。やってしもうた意味不明!(・・・????)
やたらと長いわ!
そう思った方いると思います。
ハイ。
多分空白が長かったんですね。ハイ。
文章自体は長くないYO!
多分・・・ね・・・
あ〜・・・何か自分の文才が無い事に泣きたくなってきた・・・(号泣)