雨が・・・降る。






また、思い出す。





君と別れた日が。

































六月の雨

































ザァァァァァ・・・・


「はぁ・・・・今日も雨かぁ・・・」


6月で梅雨に入り、ジメジメとした時期が続く。
私は、雨は好きだった。
前は。

でも、今は嫌い。


「・・・今頃何してんだろ」


フッとそんな事を考える私は、未練がましいかな。


パシャッと音を立てて、雨の中歩く。
いつもなら、隣にいるはずの・・・大きな影。


「・・・・冷たいよ、長太郎」



雨に打たれる度、私の熱は奪われていく。

いつもなら、あるはずの影もない。誰も私の傘を差してくれない。



「・・・さよならなんか、言わなきゃ良かったなぁ・・・」


今更、後悔したって遅いのは分かってる。

でも、本当は愛して欲しかった。

これからも、ずっと。



「・・・・本当は嘘だったなんて言えるわけないし」


ねぇ、長太郎。今・・・長太郎は何してる?



長太郎がいない雨は・・・こんなにも冷たいだなんて、気づかなかったよ。



















「傘・・・・差さないと、風邪引きますよ?」


















雨に打たれる中、声のする方へ振り向くと、そこには・・・少し前に別れた、長太郎だった。


「ちょっ・・・・・たろ・・・?」



先輩、傘持ってきてないんですか?」



いつもと変わらない声で、私の名前を呼ぶ。
まるで、時間が戻ったかのように、私の名前を・・・呼ぶ。








「あ・・・傘忘れちゃってさ」


「だったら、これ使って下さい」


そう言って差し出された傘。
長太郎のサイズに合わせているのか、私には大きくて。



「いや・・・でもさ、長太郎が濡れちゃうし・・・」


「構わないです。先輩、使って下さい」


「無理だからっ・・・それに、私もうズブ濡れだから、大丈夫っ・・・走って帰るから」


私は、逃げるようにして走る。

雨で濡れた体は重くて、思う様に走れない。


「先輩っ・・・」


遠くで、声が聞こえる。


雨の日、別れをつげた私を呼ぶ声と同じ声で。










「俺っ・・・・先輩の事っ・・・まだっ・・・好きなんですっ」














そんな声さえも、雨と一緒に消えてしまえば良いのに。











別れをつげた、あの日の記憶が・・・雨と一緒に流れてしまえば、私たちは・・・今頃・・・傘を差して一緒に帰っていれたはずなのに。














「俺はっ・・・先輩とっ・・・一緒にいたいんです!!」

















そう叫ぶ長太郎は、傘が邪魔だったのか、傘をたたんで私を追いかけていた。

































「さよならっ・・・・したくないよっ」






パシャッと音を立てて、私は走るのをやめた。

長太郎も、走るのをやめて、私に近づく。




















「俺、先輩の事っ・・・・まだ好きですから」



こんな、六月の雨も良いかもしれない。
































End?

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微妙!!長太郎じゃないよ!
えーっと・・・なにやら色々補足が必要ですが・・・まぁ、想像して下さい(ぇww)
雨の日に長太郎に別れをつげた・・・としか言いようがないです(苦笑)
さて・・・最後に長太郎に告白されてますが、貴女の返事は・・・?
その後は皆様の想像してた通りに!(ぉ
そして、長太郎が・・・名前を全然呼んでないですねorz

2006.06.18