冷たい雨が降る
体を震わせて、
そんな震える君を、僕はそっと包む。
君のソバで。
「ひゃー・・・・侑士、雨だよ・・・どうする?」
久しぶりのデートで、久しぶりに外食していた日の事。
昼までは、快晴だったはずの空は、夜になって突如の雨
「ほんまや・・・・どうしよか・・・・」
「やっぱ、走るしかないかなぁ」
ふと、の方を見ると、今日は雨を降らないと思っていたらしく、かなりの薄着だった。
そりゃな・・・あれだけ快晴だったら、薄着やろな・・
「せやけど、・・・お前、かなり薄着やん」
「え?そうだけど?」
「風邪引くで?」
俺は、心配してそう言うと・・・
「じっ・・・実はもう風邪気味だったり・・・」
そう言って、は俯く。
何考えてんねん・・・・
「は!?風邪気味!?おまっ・・・なんでそんな薄着着てんねん!」
俺は急いで、着ていた上着をに被せた。
「だってさぁー・・・久しぶりの侑士とのデートだよ?気合入っちゃってさぁー」
そう言ってヘラッと笑う。
どうして、そこまで俺に合わせようとするのか
「アホ・・・・俺はが風邪引いた方が心配やし・・・」
「あ、そうだ、侑士」
俺の話聞いてるん!?と怒鳴ろうとした時、そっと手を握られた。
わずかに震えていて。
「こうしたら・・・ちょっとは寒くない・・・よ?」
どうして、君はそこまで無理をするんだ。
俺は、君に何もあげていないのに、
いつも俺は君からもらってばっかりなんだ。
たくさんの愛を。
「侑士の上着・・・侑士の匂いがする」
「当たり前やろ・・・」
ハハッとは笑って
本当は寒いんやろ?
とか、
無理しないで病院行くか?
とか、たくさん言いたい事はたくさんあるのに。
「あんま・・・・俺に心配かけんなや・・・・」
こんな事しか言えないんだ。
「侑士、アタシの事心配してんだ?」
すっと俺の掌からの手が抜ける。
温もりの消えた手は、序々に雨のせいで冷たくなってゆく。
「侑士・・・ありがとっ。この上着借りてくね!じゃー今日のデートは終わりー!じゃーねー」
雨の中、の姿が消えていく中、俺はただ一人、の後姿を見ていた。
「めっちゃ手震えてたで・・・・・?何無理してんねん・・・・・」
俺は、一人・・・壁に寄りかかり、自己嫌悪に走った。
* * * * * * * * * * * * *
「おい、今日はは休みなのか?アーン?」
「知らんわ・・・昨日風邪気味やったみたいやし」
俺は、氷帝テニス部で昼食を食べていると、跡部にいきなりの質問をされて正直ビックリした。
昨日、は俺の為に無理して。
少なくとも罪悪感があって。
「はぁー・・・・今日って部活あったっけ?」
「アン?今日はねぇよ。テニスコート整備で、今日は使えねぇからな」
「さよか」
俺は、それを聞いて学校が終わったらの家に見舞いに行こうと思った。
少なくとも、俺が悪いワケやし。
* * * * * * * * * * * * *
ピーンポーン・・・・
「はいー?」
俺は、の家に行き、インターホンを押すと、ドアが開く。
そこには・・・
「あっ・・・・のお母さん・・・」
「あら、忍足君じゃない。どうしたの?」
「あの・・・・さんにちょっと・・」
「あらぁー・・・じゃぁ、と忍足君すれ違っちゃったわねー・・・あの子、風邪引いてるのに紙袋持ってどこか行っちゃったのよ。
家で休みなさいって言っても、借りたものだから今日返さなきゃいけないとか言って出てっちゃって・・・」
まさか。
「そっ・・・そうですか・・・あ、じゃぁ家に帰ってきたら、俺が来たって言ってもらっていいですか・・・?」
「あ、はい。分かったわ。ちゃんと伝えるから」
のお母さんは、ニッコリ笑った。
俺は、走って自分の家へと向かう。
君が待つ場所まで。
「はっ・・・はぁっ・・・・」
凄く急いで走っているはずなのに、物凄く体がダルくなってきた。
まさか・・・・俺も風邪なんとちゃう?
そうだったら、ほんとおもろいんやけどな。
やっとの思いで、家の前に着くと、案の定・・・・・紙袋を抱えたがいた。
「何・・・・しとんねん・・・・」
「あ・・・・・ゆし・・・」
「何してるって聞いてんねん!!」
気づけば、俺はに怒鳴っていた。
一瞬シン・・・となり、そしての声が、響く
「え・・・あ・・・これ・・・返さなきゃって思って・・・」
紙袋を俺に押し付ける、・・・
かすかに体は震えていて
「あっ・・・もしかして・・・怒っ・・・きゃぁっ」
の腕を掴んで、俺はの背中に手を回す。
体が・・・・熱い
「心配させるな言うてんねん・・・・」
「ごめっ・・・・」
「風邪引いて・・・なんで、そないまで俺の為に無理すんねん・・・・」
「好き・・・・なんだもん・・・・」
「なっ・・・・」
「ずっとずっと・・・好きだったんだもん・・・・侑士が・・・忙しい人だしっ・・・いつ休みか分かんないしっ・・・」
俺の服をギュッと掴んで、は泣きながら
「せっかく休みだって言われて当日風邪引くなんてっ・・・・・
侑士に会えないなんて嫌だもん!!」
ほら、神様
俺は、本当に悪い人間なんやな。
女一人満足させれなくて・・・どないすんねん・・・
「アホ・・・いつでも会えるっちゅーねん・・・」
「え・・・・・・?」
「もう・・・を・・・寂しい思いなんかさせへんから」
「ゆう・・・・し・・・?」
「俺は・・・・・を愛してるんやで?のどんな我侭も・・・聞いてやるさかい・・・」
だから、
「だから・・・・無理すんなや・・・・」
無理なんかしないで、俺を頼って欲しい。
「風邪引いたって・・・俺がの家行ってやるから・・・・」
Fin
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ピッシャーン・・・(雷落雷/ぇ
ほんっとーにビミョウだな!!おい!!!
ほんとは、もっと短かったんですが。短すぎると思って長くしてみたら、意味不明になりました。クスン。
とにかく、風邪引いておったりに心配してもらう夢を書きたかったんですよ。うん。
そんなワケで、あと3人書かなきゃ〜アハハ〜
2006.03,29